学級レクは必要か?──「レク頼り」にならないクラスづくりを考える

「レクってやったほうがいいの?」「時間が取られるだけじゃない?」
先生なら一度は迷うテーマだと思います。
私自身、以前は「仲を深めるにはレクが必要だ」と思い込んでいました。

でも今の考えはこうです。
“レクが悪いわけではない。むしろ良い。”
ただし、“レクでわざわざ仲を深めなきゃいけない状態” こそ見直すべきだと感じています。

授業、係活動、学校行事。その日常が充実していれば、
子どもたちは自然と関わり合い、協働し、仲が深まっていく。
だからレクは「補助輪」であって、学級づくりの中心ではない。
この記事では、そんな私のレク観を整理してみます。

新卒先生A

レク自体は好き。でも“レク頼り”になるのは違う気がする…。


目次

筆者の背景──レクは盛り上がる。でも “日常” は変わらなかった

若い頃の私は、「クラスがぎくしゃく=レク不足」と考えていました。
だから何度もレクを企画し、場を盛り上げていました。

たしかにその場は楽しいし、笑顔も増えます。
「先生、またやりたい!」の声も本当に嬉しかった。

でも翌日からの授業や掃除になると、結局いつもの関係のまま。

このとき気づきました。
レクは“関係を深めるきっかけ”にはなるけれど、日常を変える力ではない。

けーわい

「レクで盛り上がること」と
「毎日、自然と協力し合えるクラス」は
別物なんだな…と痛感しました。


学級レクの良さはたしかにある──“ゼロ”にすべきではない

まず大前提として、私はレクリエーションには価値があると考えています。

メリット① 空気が一気に温まる

特に年度初めや行事明け、転入生が来たときなど、
短時間でクラスの距離を縮める道具としてレクは優秀です。

メリット② 子どもの意外な一面が見える

授業では静かな子がリーダーになったり、普段とは違う姿が見えます。
これは学級経営にとって大事な視点です。

メリット③ 思い出や成功体験になる

子どもたちにとって「楽しい記憶」は、クラスの結束を自然と高めます。


それでも「レクで仲を深める必要がない」状態が理想な理由

レクは良い。しかし、レクが必要になる状態は“理想ではない”
私がそう考える理由は、次の3つです。

理由① 日常の授業・活動が本来の “関係づくりの主戦場” だから

授業、話し合い、係活動、学校行事──。
これらはすべて、子ども同士が関わるための本番の場です。

ここが充実していれば、子ども同士は自然と関わります。
逆に言うと、授業や係活動が機能していない状態でレクだけ頑張っても、学級の“基盤”は育ちません。

理由② レクが“特別な関係構築の装置”になると、依存が生まれる

「レクをしないと仲が深まらない」
こうなると、学級経営がイベント頼りになってしまいます。
私が目指したいのはむしろ、
日常の授業・行事の中で、自然に協同が生まれるクラス。

理由③ レクは“補助輪”。主役は日常

レクそのものは良い。 でもレクは“日常を支えるための補助輪”であり、主役ではありません。

授業・学校行事・係活動の質が高まれば、レクで無理に距離を縮める必要がなくなる。
その状態こそ、教師として目指したい理想だと思うのです。

新卒先生A

「レクが悪いわけじゃなくて、
“日常の方がもっと大事”ってことか。」


日常を“レク並みに温かくする”ための3つの視点

レクに頼らなくても関係が育つクラスづくりは、日常の中にあります。

視点① 授業を「協働の場」にする

・ペア対話
・グループ意見交換
・子ども主体の話し合い活動

授業そのものが“レクのように関わりのある時間”になれば、自然と協力が生まれます。

視点② 行事を“子ども主体の経験”にする

運動会、学習発表会、遠足などの行事を、
「どうつくるか」を子どもと一緒に考えるプロセスにする。
これが実は、最強のレク以上の関係づくりになります。

視点③ 係活動や日常の動きを「プロジェクト化」する

係を「任された作業」ではなく、
クラスを良くするための小さなプロジェクトとして扱うと、
毎日が自然と“協働の時間”になります。

けーわい

レクよりも、
「授業・行事・係活動に遊び心と協力の要素を散りばめる」方が、
実は学級経営はうまくいくんです。


それでもレクをするなら──“目的” のあるレクにする

レクはゼロにする必要はありません。
むしろ、適切に使えば強い効果があります。

大事なのは、 ①目的があること ②振り返りがあること この2つです。

ポイント① レクの目的を明確にする

・初対面の緊張をほぐす
・協力活動のウォーミングアップ
・行事前の関係づくり
このように目的を言語化しておくことで、レクの価値は大きくなります。

ポイント② レク後に短い振り返りを入れる

「〇〇さんが声をかけてくれて嬉しかった」
「今度はもっと(協力・対話)を意識したい」
こうした振り返りがあるかどうかで、レクが“遊び”から“学び”に変わります。


まとめ──レクは大事。でも “レク頼りじゃないクラス” を目指したい

最後にこの記事の主張をまとめます。

  • レクは良い。楽しいし、関係づくりのきっかけになる。
  • でも、レクで無理に関係を深める必要がある状態は、理想ではない。
  • 授業・学校行事・係活動が充実すれば、自然に関係は育つ。
  • だから理想は「レクがいらないほど、日常が豊かなクラス」
  • レクをするなら、目的と振り返りをセットにする。
けーわい

レクは“特別なイベント”ではなく、“日常のサポート”。
そう考えると、学級経営はもっとシンプルになります。

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けーわい先生
小学校教員
1987年生(メッシ世代)
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