【完全保存版】小1から中3まで、読解力を積み上げる「系統的指導」の全貌

【完全保存版】小1から中3まで、読解力を積み上げる「系統的指導」の全貌

単発の授業で終わらせない。9年間を見据えた「螺旋(らせん)の学び」の設計図

国語の授業において、説明的文章(説明文・論説文)をどう教えるか。多くの現場では、その教材限りの「内容の読み取り」に終始しがちです。しかし、算数に「九九」から「筆算」への階段があるように、国語にも「系統的指導」という確固たる階段が存在します。

阿部昇先生が提唱する、構造分析に基づいた「9年間の螺旋状の学び」を、具体的な教材とともに詳しく紐解いていきます。

1. 低学年:文章の「設計図」に触れる(小1〜小2)

低学年では、文章が「問い」と「答え」でできているという、論理の最小単位を徹底的に体感させます。

小学校1年生:リズムと反復からの脱却

「くちばし」では「問い→答え」の1対1の繰り返しを学びますが、これが「うみのかくれんぼ」になると「1つの問いに対して、答えが複数(たこ・はまぐり等)」という形に発展します。さらに「じどう車くらべ」では問いが2つ(しごと・つくり)になり、「どうぶつの赤ちゃん」ではライオンとシマウマを「対比」させるという高度な並列構造へ。1年間でこれほどまでに「組み立て」は進化するのです。

小学校2年生:三部構造の「型」をインストール

「ロボット」で初めて本格的な「はじめ・中・おわり」の三部構造を学びます。この「はじめ(話題提示)」に書かれていることが、後の「中(事例)」や「おわり(まとめ)」とどう繋がっているかを確認すること。これが、生涯にわたって使い続ける「論文構成」の原体験となります。

2. 中・高学年:筆者の「工夫」と「主張」を評価する(小3〜小6)

中学年以降は、内容を理解する段階から、筆者が「なぜそのように書いたのか」というメタ的な視点を育てます。

小学校3・4年生:説明の順序とグループ分け

「こまを楽しむ」では、「一般的なものから特殊なものへ」という説明の順序の必然性を考えます。また、「すがたをかえる大豆」では、複数の事例を筆者がどうグループ分け(調理・加工・栽培など)したかを読み解きます。この「分類する力」が、思考の整理力に直結します。

小学校5・6年生:「説明型」と「論説型」の峻別

ここが大きな転換点です。既知の事実を伝える「説明型」と、筆者独自の仮説を述べる「論説型」を使い分けます。 「世界にほこる和紙」のような説明型では書き方の巧拙を、「時計の時間と心の時間」のような論説型では「筆者の主張に共感できるか、それとも疑問があるか」を自ら判断(ジャッジ)する姿勢を養います。

3. 中学校:批判的読解と自立した思考(中1〜中3)

中学校3年間のゴールは、文章を鵜呑みにせず、客観的な根拠に基づいて「評価」できる能力の獲得です。

中学1・2年生:論理プロセスの追体験

「『言葉』をもつ鳥、シジュウカラ」では、仮説を実験で検証していく科学的思考のプロセスを緻密に追います。また、「熊ゼミ」の学習では、複数の可能性を検討し、一つずつ否定していくことで正解に迫る「作業仮説」の展開を学びます。単に「何が書いてあるか」ではなく「どう論証しているか」が主眼となります。

中学3年生:クリティカル・リーディングの極致

「モアイは語る」「作られた『物語』を超えて」がターゲットです。ここでは筆者の論理に綻びがないか、示されたデータは信頼できるか、根拠と結論の間に飛躍はないか、といった「情報の精査」を行います。これが、現代社会を生き抜くためのリテラシーとなります。

【まとめ】説明型と論説型:読み方の「構え」の違い

文章の種類 目的(情報の性質) 読み手の姿勢
説明型
(情報伝達型)
すでに解明されている事実を、分かりやすく伝える。 「受け入れる」
事実を正確に受け取り、その「伝え方」の工夫を評価する。
論説型
(仮説論証型)
筆者独自の主張や仮説を述べ、論理的に証明する。 「判断する」
鵜呑みにせず、論理の整合性や納得感を自分でジャッジする。

教材研究をさらに深めたい方へ

本記事で触れた「構造分析」や「系統的指導」の具体的な方法論、ワークシートへの落とし込み方などをより詳しく学びたい方には、阿部昇先生の著書がバイブルとなります。

説明的文章の「読み」を体系的に学びたい方には、次の一冊が強くおすすめです。


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説明的文章の授業で育てたい三つの力(構造・論理・評価)を、授業で使える形に整理した記事はこちら。

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けーわい先生
小学校教員
1987年生(メッシ世代)
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