グループ学習を取り入れてみたけれど、一人がしゃべり続けるだけ、誰かがぼーっとしている、そもそも何を話していいかわからなくなっている——こんな経験をしたことはないでしょうか。グループ学習がうまくいかないのは、子どもたちのせいではなく、設計の問題であることがほとんどです。
グループ学習がうまくいかない3つの原因
原因1:一人で考える前に話し合わせている
自分の考えが固まっていない状態で「グループで話し合いましょう」と言われても、子どもは何を話せばいいかわかりません。発言できるのは「とりあえず何か言える子」だけになり、残りは聞き役に回るだけです。話し合いの前に、個人で考える時間を確保することが最初の改善策です。
原因2:話し合いの目的が不明確
「グループで話し合ってください」だけでは、何を目指して話しているのかが子どもに伝わりません。「グループで意見を一つにまとめる」「自分とは違う考えを2つ見つける」のように、話し合いのゴールを明確にすることで、子どもは動きやすくなります。
原因3:役割が暗黙のままになっている
グループの中で誰が司会をするか、誰が記録するかが決まっていないと、積極的な子どもに任せきりになります。役割をローテーションで決めることで、すべての子どもが「参加している」という意識を持てるようになります。
グループ学習を機能させる改善策
改善1:「まず1分、一人で考える」を習慣にする
グループ活動の前に、必ず個人思考の時間を設けます。ノートに自分の考えを書いてからグループに入ることで、「自分はこう思う、〇〇さんはどう?」という比較が生まれます。この比較こそが、対話のエンジンです。
改善2:小さい単位から始める
4人グループが難しければ、まずペアで話し合う場面を増やしましょう。ペアなら全員が話さざるを得ない状況になります。ペアでの対話経験が積み重なると、グループでの話し合いも自然とスムーズになっていきます。
改善3:話し合いの「振り返り」をセットにする
話し合いが終わった後、「グループで一番面白かった意見は?」「最初と考えが変わったことは?」を問います。この振り返りが、次のグループ学習を豊かにします。また、教師にとっても「グループがどんな話をしていたか」を把握する手がかりになります。
グループ学習の評価は「発言の量」ではなく「考えが変化したか」「他者の意見を受け取れたか」で見ましょう。静かだったグループが深い対話をしていることも少なくありません。
グループの組み方も大切
意図的に異質なグループをつくる
仲のいい友達だけのグループは居心地がいい反面、「違う意見」が生まれにくいです。あえて普段あまり話さない子ども同士を組み合わせることで、新鮮な視点が生まれます。ただし、関係がまだ育っていない場合はペア活動から始める方が安全です。
グループの大きさは「3〜4人」が基本
5人以上になると、発言しない子が生まれやすくなります。全員が参加しやすいのは3〜4人です。グループの大きさを目的に合わせて調整することも、設計の一つです。
うまくいかなくても、続けることが大切
グループ学習はすぐにうまくなるものではありません。子どもたちが「一緒に考えることが面白い」と感じるまでには、試行錯誤と時間が必要です。うまくいかない場面を観察して「なぜうまくいかなかったか」を子どもと一緒に振り返ること自体が、グループ学習の力を育てていきます。
