説明的文章の授業をしていると、こんな違和感をもつことはありませんか。
- 内容は理解できているはずなのに、別の文章になると読めない
- 要約はできるのに、「どう書かれているか」を説明できない
- 説明文を読む授業が、作業的になってしまう
それは、子どもたちの力不足ではありません。
説明的文章で身につけさせたい「力の焦点」が、曖昧なまま授業をしていることが原因です。
説明的文章の授業で教師が意識的に育てるべき力は、大きく分けて三つあります。
説明的文章で身につけさせるべき三つの力
① 構造・組み立てを読み取る力
一つ目は、文章全体の構造や組み立てを捉える力です。
説明的文章には、多くの場合、「はじめ・中・おわり」という三部構造があります。 重要なのは、ただ文章を三つに分けることではありません。
それぞれの部分が、どんな役割を果たしているのかを考えることです。
- 「はじめ」…問いや話題の提示
- 「中」……問いに対する説明や答え
- 「おわり」…まとめや考えの整理
例えば、「はじめ」で問いが示され、「中」でその答えが説明され、「おわり」で全体が整理されていることに気づくと、
子どもは「この文章は、こう考えて読めばいいんだ」と見通しをもてるようになります。
この力は、説明文を読む力だけでなく、自分で論理的な文章を書く力にも直結していきます。
② 論理・事柄を読み取る力
二つ目は、段落や文どうしの関係に目を向ける力です。
説明的文章では、すべての段落や文が同じ重さをもっているわけではありません。
中には、文章全体の要となる「柱の段落」「柱の文」があります。
授業では、
- この段落は、何を一番伝えようとしているのか
- 他の段落は、柱の段落をどう支えているのか
- 具体例なのか、補足なのか、理由なのか
といった視点で読んでいきます。
柱となる文が、他の文によってどのように説明され、読者の理解を助けているのかを考えることで、
文章の論理の流れが見えるようになります。
この読みは、そのまま作文指導につながります。
「何を柱に書くか」「どう説明を広げるか」という意識が育っていくからです。
③ 吟味・評価をする力
三つ目は、読み取った構造や論理を踏まえて、文章の工夫や良さを吟味・評価する力です。
ここでは、次のような視点が生まれます。
- なぜ、この順序で説明しているのか
- なぜ、身近な例から書いているのか
- 写真や資料は、どんな効果をもっているのか
筆者が「分かりやすく伝えるために、どんな工夫をしているのか」を考える読みです。
学年が上がると、
「ここは少し分かりにくい」「別の説明の仕方もあるのではないか」といった
批判的に読む力へと発展していきます。
たとえで考えると、説明文の読みはこうなる
説明的文章を読むことは、家を観察することに似ています。
- 構造・組み立て:家全体の骨組みや間取りを見る
- 論理・事柄:柱や壁がどう支え合っているかを見る
- 吟味・評価:なぜその窓がそこにあるのか、設計の工夫を味わう
この三つを行き来しながら読むことで、説明文は「内容を知る文章」から、
考え方を学ぶ文章へと変わります。
引用紹介|説明的文章を「構造で読む」視点
本記事の考え方は、次の動画内容から大きな示唆を受けています。
(※内容は著作権に配慮した要約です)
この動画では、説明的文章を「何が書いてあるか」で終わらせず、
どのように説明されているかに目を向ける重要性が語られています。
まとめ|説明文は「考え方の型」を学ぶ教材
説明的文章の授業は、知識を増やす時間ではありません。
・文章の構造を捉える力
・論理のつながりを読む力
・表現を吟味し、評価する力
この三つを意識的に育てていくことで、
説明文は「作業の授業」から「思考を鍛える授業」へと変わります。
教師がすべてを説明するのではなく、
どの力を育てたい授業なのかを明確にすること。
それが、説明的文章の授業を立て直す第一歩です。
参考文献
説明的文章の「読み」を体系的に学びたい方には、次の一冊が強くおすすめです。
