はじめに
※この記事は「時間を食べ尽くすモンスターを倒すには?教師が見つけた“価値観”というコンパス」の関連記事です。
前回の記事では“モンスター”という比喩を通して、価値観に基づく時間の使い方について考察しました。
ここでは、その中でも特に印象深かった一冊『あっという間に人は死ぬから 時間を食べつくすモンスターの正体と倒し方』(佐藤舞 著)について、読後の気づきと教育現場での応用を深掘りします。
『時間を食べつくすモンスター』を読んで見えたこと
「時間を奪っているのは他人ではなく、自分自身の逃げなのかもしれない」という気づきは、特に胸に刺さりました。
この本を手に取って一番感じたのは、「時間を奪っているのは他人ではなく、自分自身の逃避なのかもしれない」という衝撃でした。

忙しさに紛れて、自分の本心を無視していないだろうか?
佐藤さんは、人生における「死」「孤独」「責任」に向き合うことを避けると、“モンスター”に支配されるのは、「死」「孤独」「責任」から逃げたときだと語ります。
たとえば、無意識にSNSを見続けたり、必要以上の仕事を引き受けたり──
一見まじめな行動も、本心からの逃避であることがある
──そこに時間の喪失が潜んでいるのです。
著者・佐藤舞さんの人物像
佐藤舞さんは、デルタクリエイト代表であり、元小学校教員、統計学専門家という多彩な経歴を持つ方です。
福島大学で統計学と出会い、数学アレルギーを克服。在学中には野村総研の分析コンテストで入賞。
26歳で独立後はデータ解析を軸に事業を展開し、総務省主催のセミナーでも高評価を得ています。
「謎解き統計学 | サトマイ」などのYouTubeチャンネルは登録者39万人超。2024年には桜花学園大学の客員教授にも就任され、幅広く活躍中です。
教育現場への応用:本心に向き合う時間をつくる
では、この本の学びをどう教育に活かすか?
教育とは「子どもと本心に向き合う対話」をつくること。
その視点が大切だと感じました。
たとえば、道徳や学級活動の時間を活用し、「死」や「孤独」について対話を重ねること。



死ぬときに誰に何を言われたいか?
佐藤さんが紹介するこの問いは、価値観を育てるワークとしても活用できます。
時間は命そのもの──何に使うかを選ぶ力を育てることが、教育における本質的な支援なのです。
※価値観のワークの記事は準備中
おわりに:本心に正直な時間を生きよう
私たちは忙しさの中で、「本当に大切なこと」に向き合う時間を失いがちです。
けれど、その時間を奪っているのは、自分自身の“逃げ”かもしれません。
『時間を食べつくすモンスター』は、まずは自分が“本心に正直な時間”を生きることを教えてくれます。



まずは自分が“本心に正直な時間”を生きること
そしてその感覚を、教育という営みの中で子どもたちと分かち合うことができたなら──
それは豊かな学びの原点になると信じています。