クラスに、学校に来づらくなっている子がいる。教室では言葉を交わせない、あるいは、そもそも顔を合わせる機会が少ない。そんなとき、どうやってその子とつながり続ければいいのか——多くの先生が、頭を悩ませる問題だと思います。
今回は、そうした子との関わりにおいて、振り返りジャーナルが「細い糸」になりうるという話を書いてみたいと思います。ただし、これは万能の方法ではなく、その子の状態を最優先に、慎重に扱うべきものだということを、最初にお伝えしておきます。
言葉にしにくい思いの、受け皿として
学校に来づらい子の多くは、自分の気持ちをうまく言葉にできずにいることがあります。なぜつらいのか、何が不安なのか、自分でもはっきりわからない。そして、それを面と向かって話すのは、なおさら難しい。
振り返りジャーナルは、そうした「言葉にしにくい思い」の受け皿になることがあります。直接話すのは難しくても、ノートにそっと書くことならできる。誰かに見られる心配のない場所でなら、少しずつ本音がにじみ出てくることがあるのです。
面と向かわないからこそ、書けることがある。ジャーナルは、その子と教師をつなぐ、静かな通路になりうるのです。
「つながり続ける」ことに意味がある
学校に来づらい子との関わりで大切なのは、無理に学校へ引き戻すことではなく、「つながりを切らさないこと」だと思います。
たとえ毎日は会えなくても、ジャーナルのやりとりが続いていれば、その子は「自分は気にかけてもらえている」と感じられます。一言でも、短いコメントでも、「あなたのことを忘れていないよ」というメッセージが届く。その細い糸が、その子にとって、学校とつながる最後の一本になることもあります。
すぐに状況が変わらなくても、つながり続けること自体に意味があります。糸を切らさずに持ち続けること。それが、いつかその子が一歩を踏み出すときの、支えになるかもしれません。
関わるときに、大切にしたいこと
急がない、追い詰めない
ジャーナルを通じて関わるとき、決して焦ってはいけません。「早く学校に来てほしい」という気持ちが前面に出ると、その子はかえって心を閉ざしてしまいます。返事を急かしたり、登校を促したりするのではなく、ただ静かに、その子のペースを尊重することが大切です。
書くことを強制しない
ジャーナルは、あくまで「つながるための手段」であって、義務にしてはいけません。書きたくない日は書かなくていい。白紙でもいい。「書かなければならない」というプレッシャーは、その子の負担になるだけです。ゆるやかな、開かれた場であり続けることが大切です。
専門家や周囲と連携する
そして何より、教師一人で抱え込まないこと。不登校の背景には、さまざまな要因があります。スクールカウンセラーや養護教諭、管理職、保護者と連携しながら、チームでその子を支えることが欠かせません。ジャーナルは、あくまでその連携の中の一つの手段として位置づけるべきものです。
おわりに
振り返りジャーナルは、学校に来づらい子との「細い糸」になりうるものです。言葉にしにくい思いを受け止め、つながりを切らさず、その子のペースに寄り添う。そんな関わりの一助になることがあります。
ただし、繰り返しになりますが、これは万能薬ではありません。その子の状態を最優先に、決して急がず、周囲と連携しながら、慎重に。一本の細い糸を、そっと、けれど確かに持ち続けること。その積み重ねが、いつかその子の力になることを願っています。
