メガネの教員が、ICLを5年調べて、まだ受けていない話──費用・レーシックとの違い・プール指導の現実

最初に正直に書いておきます。私はまだ、ICLを受けていません。適応検査にも行っていません。

この記事は体験談ではなく、メガネとコンタクトを使い分けてきた教員が、5〜6年ICLが気になり続けて、本気で調べた検討録です。受けた人の感想文はネットにたくさんありますが、「迷っている段階の頭の中」を正直に書いたものは意外と少ない。同じように迷っている先生の参考になればと思います。

目次

教員という仕事は、目に負担が偏っている

まず、なぜ教員の私がICLを考えるのか。メガネ・コンタクトの不便が、この仕事は特に多いからです。実際に困ってきた場面を並べます。

冬、マスクでメガネが曇る。教室で毎日起きます。板書をしながら曇り、子どもの顔を見ようとして曇る。

プール指導が、詰む。小学校の担任時代がいちばん困りました。メガネを外すと子どもの様子が見えず、指導になりません。安全管理をする立場なのに、です。かといってメガネのままでは入水できない。外しても着けても成立しない、あの時間の困り方は、メガネの先生にしか分からないと思います。

夏は汗でずり落ちる。体育も、外掃除の見回りも。

スポーツのときはコンタクトにしても、ずれる・外れる。部活で動けば起きます。そしてコンタクトは毎日の洗浄が面倒で、ワンデーは割高。結局ふだんはメガネに戻る、の繰り返しでした。

朝起きた瞬間、世界が見えない。目を細めて時計を探すところから一日が始まります。そして、これは教員だから余計に思うのですが——夜中に地震が来たら、私はまずメガネを探すところから始めることになります。避難訓練で「備え」を教えている側なのに、自分の目は非常事態に備えられていない。

銭湯では、ずっと目つきが悪い。これは笑い話ですが、本当の話です。

ICLを知ったきっかけと、レーシックにしなかった理由

ICL(眼内コンタクトレンズ)を知ったのは5〜6年前、堀江貴文さんの記事でした。視力矯正手術というとレーシックのイメージでしたが、調べていくうちに、自分の中で決定的な違いが1つありました。

レーシックは角膜をレーザーで削る手術で、削った角膜は元に戻りません。ICLは目の中に小さなレンズを入れる手術で、レンズを取り出せば元の状態に戻せます。

「戻せる」。ここが私には大きかった。将来もっと良い技術が出たときにやり直せる余地がある、という安心感です。効果や安全性の感じ方は人それぞれだと思いますが、私がレーシックではなくICLを調べ続けている理由は、この一点です。

調べて分かった費用の現実

そして、踏み切れていない最大の理由が費用です。

ICLは自由診療で、保険がききません。私が見た専門クリニックの広告では両眼で73〜83万円(税込)。さらに私は乱視があるので、乱視用レンズになるとここから割高になるのが一般的です。

正直、この金額は恐怖です。教員の給料で、目に80万円。

ただ、調べる中で知ったことが2つあります。

① 無金利の分割プランを出しているクリニックがある。すべてのクリニックではありませんが、金利0%の医療ローンを用意しているところがあります(条件・回数は要確認)。一括80万円と、無金利の分割では、心理的なハードルがだいぶ違います。

② 医療費控除の対象になるとされている。視力回復のための手術費用は医療費控除の対象になるとされています。年間の医療費が10万円を超えた分は、確定申告で税金が戻る。詳細は国税庁の情報や税務署で確認が必要ですが、実質負担は表示価格より下がる可能性があります。

それから、生涯コストの比較も一度計算する価値があります。ワンデーのコンタクトを使い続けた場合、年間数万円×これからの年数。メガネも数年ごとに買い替える。「80万円は高い」の比較対象は、ゼロ円ではなく「これから何十年分のメガネとコンタクト代」なのだと気づいたのは、調べてよかったことの一つです。

それでも、まだ受けていない理由

ここまで調べて、それでも私はまだ動いていません。理由はシンプルで、乱視込みの費用への恐怖が、不便への我慢をまだ上回っているからです。メガネの不便は毎日あるけれど、致命的ではない。80万円は、失敗できない。

ただ、調べていて一つ分かったのは、迷っている段階の人間が最初にやることは、契約でも決断でもなく「適応検査」だということです。ICLはそもそも目の状態(角膜の形や前房の深さなど)によって受けられない人がいます。つまり、悩む前に「自分は受けられる目なのか」を検査で知らないと、この迷い自体が無意味かもしれない。

適応検査を無料でやっているクリニックもあります。私の次の一歩は、たぶんここです。行ったら、その体験も正直に書きます。

おわりに──同じように迷っているメガネの先生へ

この記事に結論はありません。受けた人の「やってよかった」でも、やめた人の「こわいからやめた」でもなく、5年迷っている人間の中間報告です。

それでも書いたのは、プールサイドでメガネを外すか迷った経験のある先生が、たぶん全国にたくさんいるからです。迷っているのが自分だけではないと分かるだけでも、調べる気力は少し変わると思います。

続報が書けるようになったら、また報告します。

※ICLは自由診療の医療行為です。費用・適応・リスクは クリニックによって異なります。実際の判断は必ず眼科専門医の診察と説明を受けたうえで行ってください。本記事は特定の医療機関・術式を推奨するものではありません。

けーわい先生
小学校教員
1987年生(メッシ世代)
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