教員になると、たくさんの研修を受けます。初任者研修、教科指導の研修、生徒指導の研修。どれも大切なものばかりです。けれど、ふと思うのです。「お金の研修」だけは、一度も受けたことがないな、と。
少し過激な言い方かもしれませんが、私は初任者研修と同じくらい、いや、ある意味それ以上に「金融研修」が必要なのではないかと感じています。今回は、なぜ教員こそお金の勉強をすべきなのか、という話を書いてみたいと思います。
教員は「お金に弱い」まま社会に出る
多くの教員は、大学を出てすぐに先生になります。民間企業のように、お金にまつわるシビアな世界を経験することなく、教壇に立つ人がほとんどです。
もちろん、それ自体が悪いわけではありません。けれど、結果として「お金の知識を学ばないまま、毎月給料をもらい、気づけば数十年働いていた」という先生は、決して少なくないように思います。学校では誰も、給与明細の見方も、税金の仕組みも、資産形成の方法も教えてくれません。
子どもたちに「学ぶことの大切さ」を説く私たち自身が、お金については学ぶ機会を持てないまま来てしまった。これは、少しもったいない状況ではないでしょうか。
なぜ教員こそ、お金を学ぶべきなのか
安定しているからこそ、無防備になりやすい
教員は、比較的安定した職業だと言われます。毎月決まった給料が入り、よほどのことがなければ職を失うこともありません。
でも、この安定が、かえってお金への意識を鈍らせる面があります。「黙っていても給料は入る」という安心感から、お金の管理を後回しにしてしまう。気づかないうちに、必要以上の保険に入っていたり、貯金が普通預金に眠ったままだったり。安定しているからこそ、お金に対して無防備になりやすいのです。
忙しさが、お金と向き合う時間を奪う
教員は、とにかく忙しい。日々の授業準備、部活動、事務作業に追われ、自分のお金についてじっくり考える時間など、なかなか取れません。
「いつか考えよう」と思っているうちに、何年も過ぎてしまう。お金の勉強は、緊急ではないけれど重要なこと。だからこそ、意識的に時間をつくらないと、ずっと後回しになってしまうのです。
まずは「知ること」から始めればいい
とはいえ、いきなり難しい投資の話を学べと言いたいわけではありません。まずは、お金の全体像をざっくり知ることから始めれば十分です。
お金には、「貯める・稼ぐ・増やす・守る・使う」といった、いくつかの基本的な力があると言われます。こうした全体像を一度つかんでおくだけで、自分が今どこに弱いのかが見えてきます。保険を見直すべきなのか、貯金の置き場所を変えるべきなのか。知識があれば、判断ができるようになるのです。
お金の基本を、やさしく体系的に学ぶなら、こうした書籍から入るのがおすすめです。難しい専門書ではなく、図解やイラストで全体像をつかめるものが、最初の一冊に向いています。
活字が苦手な方や、もっと気軽に入りたい方には、漫画で学べるタイプもあります。物語を楽しみながら、お金の基本的な考え方が自然と頭に入ってきます。
おわりに
子どもたちに「学ぶことは生きる力になる」と伝えている私たちこそ、お金についても学び続ける姿勢を持ちたいものです。金融の知識は、自分の生活を守り、心に余裕をもたらしてくれます。そしてその余裕は、めぐりめぐって、目の前の子どもたちと向き合うエネルギーにもなるはずです。
初任者研修で教育のプロとしての一歩を踏み出すように、お金についても、まずは小さな一歩から学び始めてみませんか。
※本記事は個人の考えを述べたものであり、特定の投資や金融商品を勧めるものではありません。資産形成に関する判断は、ご自身の責任で行ってください。
