前回、「教員こそお金の勉強が必要だ」という話を書きました。今回は、もう少し具体的に「では、何から手をつければいいのか」という話をしてみたいと思います。
結論から言えば、多くの教員がまず見直すべきは「保険」、そして次に考えたいのが「積み立てによる資産形成」です。ただし、これはあくまで考え方の話。具体的な判断はご自身でしていただく前提で、読んでいただければと思います。
まずは「守り」から──保険を見直す
教員は、保険に入りすぎていることが多い
新採用の頃、職場に来た保険の方に勧められるまま、よくわからない保険に入った——そんな経験のある先生は、案外多いのではないでしょうか。気づけば毎月、けっこうな額が保険料として引かれている。
保険は「もしも」に備える大切なものですが、必要以上に入ってしまうと、家計を圧迫するだけになります。とくに独身の方や、扶養家族のいない方が手厚い死亡保険に入っているケースは、見直しの余地が大きいことが多いものです。
「公的保障」を知ると、保険は減らせる
見直しのカギは、すでにある「公的な保障」を知ることです。日本の社会保険制度は、実はかなり手厚くできています。病気で働けなくなったときの保障、高額な医療費がかかったときの上限の仕組みなど、知らずに民間保険で二重に備えている人が少なくありません。
公的保障でカバーされる部分を理解すれば、「本当に必要な保険」だけに絞ることができます。浮いたお金は、次に紹介する資産形成に回せます。保険を見直すことは、守りを固めながら、攻めの原資をつくることでもあるのです。
次に「増やす」──積み立てという考え方
貯金だけでは、お金は増えない時代
かつては、銀行に預けておけば利息でお金が増えた時代もありました。けれど今、普通預金の金利はごくわずか。貯金だけでは、お金はほとんど増えません。それどころか、物価が上がると、お金の価値は実質的に目減りしていきます。
そこで考えたいのが、「積み立て」という方法です。毎月コツコツと一定額を積み立てていく。少額からでも、長い時間をかけることで、お金に働いてもらうという発想です。
教員の「安定」は、積み立てと相性がいい
実は、教員という職業は、積み立てと非常に相性がよいと言えます。毎月決まった給料が入るため、「毎月一定額を積み立てる」というスタイルを続けやすいからです。収入が不安定な職業より、ずっと計画が立てやすい。
毎月の給料から、無理のない範囲で自動的に積み立てる。一度仕組みをつくってしまえば、あとはほったらかしでも続いていきます。教員の安定した収入は、こうした長期の積み立てにこそ生きてくるのです。
学びを深めるための一冊
こうした「お金の守り方・増やし方」を、体系的にやさしく学べる本があります。保険の考え方から資産形成まで、図解で全体像をつかめる定番の一冊です。
活字が苦手な方や、もっと気軽に入りたい方には、漫画で学べるタイプもあります。物語を楽しみながら、お金の基本的な考え方が自然と頭に入ってきます。
具体的な一歩は、自分のペースで
「考え方はわかった。で、具体的にどうすれば?」と思った方も多いでしょう。最近は、税制上の優遇を受けながら積み立てができる制度も整っています。投資先としては、世界中の株式にまとめて分散できるタイプの投資信託(いわゆる「オルカン」と呼ばれる全世界株式型など)が、初心者にも分かりやすいと人気です。口座は、手数料が安くスマホで完結するネット証券(楽天証券やSBI証券など)を選ぶ人が多いようです。
ただ、ここから先は、ご自身で調べて、納得した上で進めてください。本やネットで情報を集め、自分のリスク許容度に合った方法を選ぶ。その「自分で決める」プロセスこそが、お金の勉強そのものです。焦らず、自分のペースで一歩を踏み出していただければと思います。
おわりに
守りを固め(保険の見直し)、攻めを始める(積み立て)。この順番で進めるのが、教員のお金との付き合い方として、無理がないように思います。
安定した収入という、教員ならではの強みを生かして、コツコツと将来に備えていく。日々子どもたちのために働くその先に、自分自身の安心した暮らしも、きちんと描いていきたいものです。
※本記事は個人の考えを述べたものであり、特定の投資や金融商品を勧めるものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。資産形成に関する判断は、ご自身の責任で行ってください。
